2008(平成20)年5月16日、建築作業に従事した結果、石綿(アスベスト)に関連する病気にかかってしまった東京、埼玉、千葉のアスベスト被害者の方及びそのご遺族200名以上(裁判を起こした時点で90名以上がアスベストにより死亡)が、被告である国及びニチアス(旧日本アスベスト)等の40社を超えるアスベストを含有する建材を製造していたメーカーに対し、一患者当たり3850万円(弁護士費用含む)の損害賠償を求め、東京地方裁判所に裁判を起こしました。

2010(平成22)年4月23日にも、アスベスト被害が新たに判明した被害者の方ら170名以上が、第二次訴訟として、同じく東京地方裁判所に追加で裁判を起こしました(第1陣訴訟)。

第一次訴訟については、2012(平成24)年12月5日に、国の責任を初めて認める画期的な判決が下されました。メーカーについては、警告義務違反の過失は認めたものの、被害者とメーカーの一対一の対応関係が明確ではないとして共同不法行為の成立を否定されました(但し、同判決はメーカーが責任を負うべき戸の原告らの主張への理解を示しました。)

この東京地裁判決を皮切りに、その後、福岡、大阪、京都そして札幌と各地裁で国の責任を認める判決が続き、特に京都地裁判決では、初めてメーカーの共同不法行為責任を勝ち取ることができました。

裁判は高裁段階に進み、2017(平成29)年11月から2018(平成30)年9月にかけて東京高裁判決2件、大阪高裁判決2件の合計4件の高等裁判所判決で国の責任が断罪され、特にその内3つの判決ではこれまでの地裁判決では救済を受けられなかった労働者に当たらない一人親方等の救済も認められました。また、3つの高裁判決ではメーカーの共同不法行為責任も認められ、裁判は大きく前進しました。

現在、4つの高裁判決が最高裁に係属しており、その判断が注目されています。原告団、弁護団、そして支援の労働組合等は、アスベスト被害の広がりを踏まえ、裁判によらない基金制度による被害救済制度の実現に向けて取り組みを強めているところです。