すべてのアスベスト被害者に救済を

ご挨拶

アスベストによる健康影響を巡る「被害と加害の構造」を問う


「奇跡の鉱物」から「悪魔の鉱物」へ

アスベストは、その経済的な有用性から「奇跡の鉱物」とも呼ばれ、昭和30年代から平成の初めに至るまで、ブレーキ、耐火建材、公共施設の防音材などに多用されてきました。他方で、アスベストは石綿肺や肺がん・中皮腫などの重篤な健康被害をもたらすことから、平成18年には、遅ればせながら、日本でもその使用は全面的に禁止されるに至りました。

被害が広がる懸念

しかし、アスベストによる健康被害には長期の潜伏期間があることから、アスベストによる健康被害は、使用が禁止された後になって急激に拡大しています。また、アスベストを含む建材を使った建物の解体は、これから本格化することもあり、解体作業を通じて、建築作業従事者や住民の健康被害が広がることも懸念されるところです。

深刻な被害

現状でも、アスベストに起因する労働災害の認定は年間で約1000件に達します。主要な疾病は肺がん・中皮腫などの命にかかわる疾病であり、その被害は深刻です。

利益優先の結果としての「人災」

アスベストが健康被害をもたらすことについては、石綿肺については戦前から、肺がん・中皮腫についても遅くとも昭和40年代には既に明らかになっていました。しかし、アスベストを使って製品を作る製造企業も、それを使って建物を建てるゼネコンらも、こうした有害性を認識しつつ、利益追求のために「見て見ぬふり」をしてアスベストの使用を拡大してきました。

大阪泉南のアスベスト工場地帯における被害については、国の規制責任を問う裁判が追及され、平成26年には、最高裁判決によって国の責任が明らかにされました。経済的な利益の追求と、労働者・住民の生命・健康が、天秤にかけられることは、日本国憲法13条の「個人の尊重」の規定を持ち出すまでもなく、到底許されないものです。

生命・健康が尊重される社会に

日本ではこれまで、水俣病、大気汚染などの公害被害、スモンなどの薬害、炭鉱におけるじん肺労災の多発などが繰り返されてきましたが、アスベストを巡る問題も、その背景は共通するものだということができます。私たち「埼玉アスベスト弁護団」は、一つ一つのアスベスト被害の救済に全力を尽くすものですが、それとともに、被害者自身が立ち上がることが、労働者・市民の権利が経済的利益のために踏みにじられることのない社会をつくる第一歩となると確信しています。

2015年7月31日

                   埼玉アスベスト弁護団

                        団  長    南  雲  芳  夫

 

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