国は石綿工場の労働者やその遺族の方々に対し、和解手続きによって賠償金を支払う方針を示しています。

訴訟までの流れ

    1. お電話、メールでのご相談

      まずは、当弁護団の上記電話番号にお電話いただくか、本ホームページ上の相談フォームに必要事項をご記入頂いた上でご連絡下さい。「賠償の対象となるか分からない。」、「手元になにも資料がない。」、という方でもお気軽にご連絡いただいて結構です。
      窓口となる相談担当の弁護士が対応し、無料で簡単な聞き取りを行わせて頂きます。

    2. 弁護士と面談・聴き取り

      その後、お電話等でうかがったお話しをもとに、相談者の方ごとに担当の弁護士がつき、面談の上で詳しくお話をうかがいます(この際に、被害状況や就労状況など必要事項の聴き取りを行います。 )。なお、面談は、担当弁護士の事務所か、ご要望に応じてご自宅等で行いますが、この段階でも費用はいただきません。

    3. 労災資料または、じん肺管理区分に関する資料の開示請求

      担当弁護士との面談後、労災認定もしくは管理区分決定を行った労働局に対し、労災資料等の開示請求を行います。開示の請求書は弁護士が作成いたします(なお、この段階でも、弁護士費用は頂きませんが、開示費用等の実費はご負担頂くことになります。)。

      また、労災申請の手続が必要な方については、適宜ご相談をお受け致します。

    4.  弁護団との委任契約・委任状の作成
      資料等がそろい、国との間で和解が可能であると判断され、正式にご依頼される場合は、委任契約書と委任状の作成をお願いしております。
      ご依頼時にかかる費用としては、国家賠償の請求にかかる実費(訴状貼付の印紙代、裁判所に納める郵便切手代等)として1万円をお支払いいただきます。
      (詳しくは弁護士費用をご覧ください)

    5. 国家賠償請求訴訟の提起・裁判上の和解  
      弁護士が、国に対する訴状を作成して訴訟を提起します。
      訴訟においては、国が求める要件(①責任期間内のばく露作業、②ばく露作業によって一定の健康被害を受けたこと)を立証する証拠を提出します。和解までの期間については、準備できる証拠がどのようなものであるか、もしくは働いていた状況や時期等によって異なりますので、個別にご説明させていただきます(なお、資料が十分に整っている場合は、提訴から4~6か月で和解が出来る場合もあります。)。

    6. 賠償金の受け取り・報酬金の精算
      国から受け取った賠償金の中から、報酬金として15%(消費税別)をいただきます。(詳しくは弁護士費用をご覧ください)
      なお、訴訟を提起した上で、仮に、賠償が受けられなかった場合、報酬金はいただきません。ただし、実費としていただいた1万円をお返しすることは出来ませんのでご了承ください。

  1.  

賠償額一覧

①以下の金額、②弁護士費用として以下の金額の10%、③遅延損害金の合計額が国から支払われます。

被害内容 賠償上限額
じん肺管理区分2・合併症なし 550万円
じん肺管理区分2・合併症あり 700万円
じん肺管理区分3・合併症なし 800万円
じん肺管理区分3・合併症あり 950万円
じん肺管理区分4・肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚 1,150万円
石綿肺(じん肺管理区分2・3で合併症なし)による死亡 1,200万円
石綿(じん肺管理区分2・3で合併症あり又は管理4)、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚による死亡 1,300万円

当弁護団の実績

  1. これまでの提訴状況、和解実績
    当弁護団は、これまで、約70名の被災者の方について、すでに訴訟を提起しており、現在までに、40名の方について、国と和解が成立しています(2019年9月10日現在)。
    提訴した被災者の方々が働いていた会社は、曙ブレーキ工業株式会社(旧曙石綿工業株式会社)、同社の下請けをしていた個人企業、リソルホールディングス株式会社(旧日本エタニットパイプ株式会社)、第一スレート工業株式会社、株式会社ノザワ、日立製作所及び同社の関連企業、太平洋セメント株式会社(旧秩父セメント株式会社)、株式会社エーアンドエーマテリアル(旧朝日石綿工業株式会社)、日東紡績株式会社等であり、多数の会社の工場が対象になっています。基本的には、さいたま地方裁判所に訴訟を提起していますが、日立製作所及びその関連企業の元労働者及びそのご遺族の方々については水戸地方裁判所に、太平洋セメント株式会社(旧秩父セメント株式会社)の元労働者及びその後遺族の方々については、さいたま地方裁判所熊谷支部に提訴しています。

    今後も、提訴した被災者の方につきましては、順次、和解が成立していく予定です。
    また、そのほかにご相談頂いている被災者の方についても、提訴を準備している状況であり、準備が整い次第、提訴をすすめていく予定です。

  2. 曙ブレーキの元労働者の方の和解例
    当弁護団は、自動車等のブレーキ製造を行っていた曙ブレーキ工業株式会社の元労働者及びそのご遺族から依頼を受け、同社に対する損害賠償請求訴訟を提起し、勝訴的和解をするに至っています(詳しくは、曙ブレーキ訴訟)。
    そして、同社と和解をし、解決金を取得した方のうち、国家賠償請求訴訟の要件をみたす元労働者及びそのご遺族は、国に対しても、訴訟を提起した上で、会社から支払われた解決金を一部差し引いた形で、和解による賠償金の支払いを受けています。
    このように、仮に、企業との間で、訴訟によって和解金等の名目で支払を受けていたとしても、受領した金額等によっては、国に対しても国家賠償請求訴訟を提起することにより、賠償金を受け取ることができます。
  3. エタニットパイプの元労働者の方の和解例
    当弁護団は、石綿セメント管を製造、販売してきたリソルホールディングス株式会社(旧日本エタニットパイプ株式会社)の元労働者のご遺族から依頼を受け、国との関係で、国家賠償請求訴訟を提起し、和解による賠償金を受けました。
    そして、その上で、同社に対しても、損害賠償請求訴訟を提起し、平成30年10月12日、勝訴判決を得ました(詳しくは、エタニットパイプ訴訟)。
    このように、先に、国との間で、国家賠償請求訴訟を提起し、和解により賠償金を受け取っていたとしても、国が賠償する損害は、被害者が受けた損害の半分に過ぎませんので、要件をみたせば、企業に対しても、損害賠償請求訴訟を提起することにより(もしくは交渉によって)、賠償金を受け取ることができます
  4. ノザワの元労働者の方の和解例
    当弁護団は、石綿を含有するセメント製品製造メーカーである株式会社ノザワの元労働者のご遺族から依頼を受け、まずは、同社との間で損害賠償について交渉し、訴訟を起こすことなく和解によって解決金を受領しました(詳しくは、ノザワ訴訟
    そして、同社と和解をし、解決金を取得した上で、国に対しても、訴訟を提起し、会社から支払われた解決金を一部差し引いた形で、和解による賠償金の支払いを受けています。
    このように、仮に、企業との間で、交渉によって解決金、見舞金等の名目で支払を受けていたとしても、受領した金額等によっては、国に対しても国家賠償請求訴訟を提起することにより、賠償金を受け取ることができます。
  5. 自動車整備工場の元労働者の方の和解例
    当弁護団は、アスベスト工場ではなく、一般的な自動車整備工場に勤務していた元労働者の方が、自動車部品に使用されていたアスベストにばく露した結果、中皮腫を発症して死亡してしまったという事案について、国との関係で、国家賠償請求訴訟を提起し、和解による賠償金を受けました。